昨日の夜、豚骨ラーメンを食べてウチに帰る途中、ヘンな奴とすれ違った。
大学生風の男。
歩きながら、激しく言い争っている。
かなり怒っている。
血圧も上がりきって、血液も沸騰寸前のようだ。
何がヘンかと言うと、相手がいないのだ。
「なんで、それが俺のせいだよー」
「おまえのせいだろ」
「なんでだよー、このやろー」
そんな感じで見えない相手への罵倒はいつまでも続く。
かなりでかい声だ。
誰が見ても相当ヘンな奴。
ヘンな奴はヘンな奴だが、少し同情してきた。
きっと昼間よっぽどイヤなことがあったのだ。
その場でキレて怒鳴りてくても、そう出来ない何かがあったのだろう。
アルバイト先の上司かもしれない。
理不尽なことでなじられたが、くやしくても我慢するしかない。
やっと見つけたこの仕事、今やめる訳にもいかない。
たちまち生活費に影響する。
一人で台北で生活して行くのは、大変なのだ。
きっとそうだ。
えらいじゃないか、ヘンな奴。
そう思った。
ワタシなどはこの歳になっても、人間ができてないのですぐ怒ってしまう。
反省しても、またおなじことをやってしまう。
こらえ性がないのだ。
こんなアホな自分より、その学生はエラいじゃないか。と思う。
その場ではよほど悔しかったが、我慢する理性があるということだ。
でもどうしても悔しくて腹がたっておさまらないから、
夜道でシャドウ罵倒バトルを繰り広げる。
ひょっとしてワタシより大人で健康的なのかも知れない。
社会適応度も上なのだろう。
見習ってみてよいかも、と思った。
MIYAKE