話は前後するけど、マカオに行くのを決めたのが朝の10時過ぎ。私の住む台北からマカオまでは1時間50分。だけど市内の松山空港でなく桃園空港からなので、少し早めに出発しなくてはいけないのだ。
12時過ぎにうちを出て、マカオのコンサート会場のあるホテルについたのが夕刻。ホテルの入り口からホールに着くまで15分以上かかった、ホテルが大きすぎて複雑だから何度か迷ってしまったのだ。
トイレも豪華!
ネット予約のチケットを発行してもらって、残り時間2時間。もうホテルの外の出る気もしないので、近くのカジノやおみやげショップを少し覗いてみる。疲れていたのもあるけど、実は地理学科出身なのに超方向音痴で、時間内にちゃんと今居るホール近くまで戻れる自信がなかったのだ。ホールの近くでなにか食べよう。うん。
凄く安そうなフードコートもあったけど、器は超立派なベネチア、中身はアジアの夜市的雰囲気。こんなの嫌だ。
ほとんど人の入っていない超高級レストランもあったけど、やっぱり嫌だ。
近くのセンス良さ気で、オールドアメリカンパブ的な雰囲気のハンバーガショップに入る。西洋人が多く、インテリアも落ち着いててなかなか良い。
ハンバーガー+アルファ+コーラで2000円位か?
というわけで、いよいよコンサート。
コンサートホールへの入り口だよ。ハイテックっていうか、おしゃれなんだ。
会場前は、ホールの前あたりで、ワインやアルコール類もサービスされるんだ。
飲まなかったけどね。
ホールはホテルのメインフロアと違って、成金趣味ではなく西洋的なおしゃれなホールだ。おそらくクラシック向きではないのだと思う。天井はかなり高い。傾斜もきつく、どこに座っても前に人がじゃまになることはなく、椅子もやわらかく快適。ジャズを聴くにはこういうホールも良いんじゃないかな。
コンサートは、そりゃもう感激。時間とお金をかけて来たかいがありました。ステイシー・ケントって、CDではどちらかと言うと、ささやくようなチャーミングな声っていう印象だけど、実はそうでもないんだ。抑えた声も充分力強いんだ。そして少しだけ枯れたキュートな声が良いんだよね。「ワン・ノート・サンバ」や「ソー・ナイス」みたいなボサノヴァからフランス語のナンバーまで、何を歌ってもステイシーのスタイルに昇華されて、もう夢心地の2時間でした。
日本や台湾と違って休憩なしのコンサートなのね。場所柄か開始時間が遅いからだと思うけど。
サイン会も有ったので、勇気を振り絞って、文法無視の単語だけの英語で話しかけたよ。
私「日本でも台北でもコンサート行けなかったから、来たんだよ。」
ステイシー「えっ? 日本でも一週間前にブルー・ノートに出たんだよ」
私「もちろん知ってるけど、行けなかったんだよ。台北でも行けずに(理由は略)、だから、今日の飛行機で今夜のコンサートためマカオに来たんだよ、夕方着いたばかりだよ」
「えっ、そうなの!ほんとに〜! ありがとう、うれしいわ〜」
と言うと、立ち上がって私の両手を握って、
名前教えて、と言ってCD以外にも当日のコンサートポスターに名前まで書いてくれたよ。
私「ステイシーの歌が聴けて幸せ。来てよかった、ほんとに感激したよ、どうもありがとう〜」
ステイシー「ケンジ! また必ず東京に行くからね、シーユーネクストアゲイン! サンキューバイバイ〜」
と次の人達が待ってる中、立ち上がって手を振ってくれたのであります。なんてフレンドリーなスターなんでありましょうか!! (警備の人に早くしろと睨まれたけど…)
っていうか、私って50代のオヤジなんでありますが、こんなんで大丈夫でしょうか? ちょっと熱に浮かされすぎでしょうか。
英語がちゃんと話せたら良いんだけどな…やっぱ勉強しよっと…ちなみに泊まったのはもちろん、別のホテルだよ。
いい歳して、まったくもう、この忙しい時に何やってるんだか、と一瞬思ったんだけど、
ステイシーの歌声が台北戻るまで、頭のなかに回り続けて、もう仕事なんてどうでもよいや〜。
じゃなくて、翌日午後台北に戻り、日曜日なのに30分後から夜まで会議。その後、連日深夜作業中です。
※アンコールの最後の曲は「What A Wonderful World」。超有名な曲です。知ってる人も多いですよね。曲名を知らなくても、きっとどこかで聞いたことがあるんじゃないかな。「What A Wonderful World」といえば、ルイ・アームストロングだけどね。一度でいいからステイシー・ケントのヴァージョンも聴いてみてね。きっと気にいると思うよ。
こんなだれでも知ってて、しかもシンプルな歌で聴く人をこんなにも感動させられるのって、実は凄いことなので無いかと思うのです。
これは有名なフレンチ・ポップスだよね。フレンチアルバムも良いよ!