台北誠品書店のクラオタ店員

台湾に住んでいるし、友達もいないし(別に欲しくもないけど)、
休みにすることと言ったら

1.仕事
2.CDを聴く
3.CDを買う

これくらいなのね。

CDを買うのはたいてい、誠品書店、近所の敦南店か、信義店。

ここは、台湾中に店舗が何軒もある有名な書店。

書店だけど、雑貨や文具売り場も充実していて、洋服やアクセサリーを扱うテナントもたくさん入っている。

ここが無くなったら台湾人の知的レベルが数パーセント下がるんじゃなかっていうくらい、知性やおしゃれに貢献度が一番高い複合ショップだと思う

ここ数年、毎週どちらかの店でCDを買っているので、古株の店員には完全に顔を覚えられているようだ。
別にまあ良いんだけど。

小さな個人経営の店ではないので、お客さんにいちいち、これがお勧めだよ。
とかって、話しかけてくるようなことはない。

はずなのだが、私にはやたら罠を仕掛けてくる。

特別やたら話しかけてくるのが、一年くらい前からいる若い男の店員、別に売上枚数を一枚でも増やそうとか、店に貢献しようとしてるわけではなさそうだ。

ただのオタクなのだ。

若いくせに、クラシックにやたら詳しいけど、昔のジャズやロックにもそれなりの知識があって、簡単に罠をかいくぐれない。侮れない。

声楽のCDを買った時は、すかさず「サンドリーヌ・ピオーの新しいのはもう買った?」
「いや名前は知ってるけど聴いたこと無い」っていうと、レジから売り場に走って行って、2枚ほどおすすめのCDを持って戻ってくる。

僕の好きな日本の音楽評論家の人がすごく褒めてるんだけど、本当にに良いんだよなー。
とか言いながら、内容を解説し始める。他のお客さんを、ほったらかしで。おいっ!
(日本の評論家って吉田秀和のことだと思う、そんなの読んでるのか?いやいやインテリだなあ!)

この店員にまんまと買わされた(まあ、自分で買ったんだけど)CDは、けっこう有ると思う。
困ったことに、こっちの好みを完全に把握されてるようだ。

っていうより、自分の好みを押し付けて、私が反応するのがうれしくてしかたがないみたい。オタクの人ってそうなんだ、多分。

例えば、こういうの

サンドリーヌ・ピオー  夢のあとに
夢を題材にした曲を集めたCDみたい。

ヨハンナ・マルティ  
バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
録音の少ない演奏家なのだそうだ。(いろいろうんちくを聞いた。シューベルトのソナタも良いのだそうだ)

店に行った時にちょうどかかってて、何かなと、レジまで見に行ったら、その店員と目があって「今かかってるのは、一枚目のほらこれ、バラ売りもあるけど2枚目も…」
シェリー・マン&ヒズメン のAt the Black Hawk4枚組ライブ。
結局4枚組を買った。いや全曲良いっちゃ良いんだけど、2枚組くらいでも良いんじゃないのって感じかな。

店員「L’Arpeggiataの新しいのもう聴いた?」
私「ふっ、もう買ったよ。」

店員「ドナルド・バードとバルネ・ウィランの復刻CD買わないの?」
私「うん、いい、買わない。」
店員「どうして?」

どうして買わないかって聞くなよ!!

でも、ちょっと迷ってるんだけど。

台北誠品書店のクラオタ店員」への4件のフィードバック

  1. 某ブログのオーナーより上手がいたのが驚きです(笑)

  2. masahiroさん
    私はまだまだ全然オタクの域じゃないですよ。
    普通レベルの音楽ファンです。

    でも、ほらいつも何となく同じ傾向のものばかり買っちゃうから、たまにはこうして人のの勧めるのを買うのも、面白いですよね。聴くものの幅が広がるしね。

  3. そうやって勧められて買ったCDが、我が家のプレイヤーの上に何枚も載ってるんですけど・・・・(笑)

  4. masahiroさん
    いや、すみません、この店員が悪いんですよ。ってわけじゃなくて。
    でも自分の好きなCDを人に薦めたい気持ちは、私も同じなんでよくわかりますね。

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