ロードサイド・クロス

翻訳ミステリファンには、何の説明もいらないでしょう、アメリカのミステリー作家、J.ディーヴァーの「ロードサイド・クロス」が文庫になったので、週末に一気読みしました。
毎作、外れがないっていうか、マンネリ化することなく、面白くてやめられない、しかも進化しています、驚異的ですよね。

J.ディーヴァーといえば、科学捜査の天才、四肢麻痺のリンカーン・ライムシリーズが有名です。本作はそのシリーズから派生した、人間嘘発見器、キネシクスのオーソリティ、キャサリン・ダンスを主人公としたシリーズの2作目です。

どんでん返し職人とも呼ばれるくらいですから、私たち読者は、うーん、そう思わせて、きっとこう来るななどと、少しかまえて読むんですが、毎回、えーそうなの!!! と作者の術中にハマってしまうんですよね。

ところで、この本ですが、ネット上の匿名性がもたらす噂の拡散による「いじめ」や仮想現実とリアルな世界のあやうい境界線、みたいなことが重要なテーマとなっています。そういうテーマって少しネガティブっていうか暗い側面もあるんですが、ディーヴァーはあくまでエンターティメント職人、暗い作風ではないのでご安心を。

小説中には人気のブロガーが登場して、その中での掲示板が事件に絡んできます。でね、小説中にちゃんとURLが載ってるんですよ(もちろん架空のサイトのね)。でも、実際にコンピュータでそのURLを打ち込むと、そのサイトが現れるんですよ。このフィクション小説のために作られたサイトなんですよ。

さすが人気作家、やることが違いますね。ここまでやるの?と感心しました。

http://www.thechiltonreport.com/html/june26.html

このページの後半に事件に関する書き込みや、ご丁寧に写真までも載っています。

日本の匿名掲示板も独特の単語や、わざと誤字を当てた言葉などが頻出し、慣れないと意味がわからなかったりしますが、アメリカもどうやら同様のようです。

〜is a total phr33k 
〜は完全にいかれてるよ(phr33kはfreakのことだそうです、eを3と綴るんですね)
ch33pはcheep
その他、わざと more を moar、 source を sauce と綴ったりするそうです。

さて、下巻に出てくる文章の一部です。意味わかりますか?(もちろん本の中ではちゃんと翻訳してあります。)

u r d3ad
3v3ry 1of u

ちゃんとした英語も分かんないのに、こんな文章、意味不明ですね。意味を知りたい人は、本を買って読んで下さい。
1作目から読まなくても、楽しめると思いますよ。(もちろん1作目「スリーピング・ドール」から読めば更に楽しめるんですが)

※したの動画はこの小説のCM(映画化されたわけではなく小説のCMです、アメリカの人気作家って凄いですね!)

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