ひも付き演奏

●ジャズ喫茶店長で評論家の寺島靖国さんの本を読んでいて、
ひも付き、婦人科専門などと言う言葉が出て来た。
「ひも付き」とはストリングス(弦楽)の加わった演奏、
「婦人科専門」とは、女性ピアニストを専門に
伴奏したドラマーのことだそうだ。
●思わず笑ってしまったが、ちょっと意地悪な表現だ。
寺島靖国さん自身もそんな「軟弱」なジャズは
喫茶店でかけなかったそうだ。
と言うわけで、この本(JAZZの聴き方に法則はない)にも
「ウイズ・ストリングスはジャズ・メンの余興である」
と書かれている。
●でも寺島さんの場合、こう書いていても
褒めてるんだか、貶しているんだか分からないし、
妙なCDを名盤とか言って紹介する人だし、
まともに聞かなくても良いと思う。
●ところで「ウイズ・ストリングス」といえば
ジャズファンならすぐに思い浮かべるのは、
「チャーリー・パーカー・ウイズ・ストリングス 」
「クリフォード・ブラウン・ウイズ・ストリングス」

だろう。
●どちらも、選曲良し、演奏良しで、
ワタシのような初心者でも楽しく聴ける。
ほどよいけだるさが心地よく癒してくる。
ブランデー片手に、なんて良いかもしれない。
が、あいにくワタシは酒類はほとんど飲めない。
ビールをコップ2杯くらいが限界だ。
年間の飲酒量はビール大瓶3〜5本くらいかもしれない。
(う〜んそれがどうした?)
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左がクリフォード・ブラウン(トランペット)
チャーリー・パーカー(アルトサックス)
鳥のイラストのジャケット最高っす。
ちなみに真ん中は、虫さされ、肩こりに、の「キンカン」だ。
台湾では冬でも蚊がいるので必需品なのだ。
●さて、ここからが本題(←ふむふむ長過ぎだな〜)
というわけで、ワタシの最近のマイブーム、
テナー・サックス奏者、小池修のウィズ・ストリングシリーズ、
「Koike Osamu(小池修) Strings What’s New」
「Koike Osamu(小池修) Strings April in Paris」

(共に2000年録音)だ。
●この2枚、泣けて来る。ぐっと来る。キューンと来る。
ビタースイートないぶし銀の音色に渋いソウルフルなソロ。
甘いようで、甘すぎず、水に例えるなら
富士山麓の純粋な水、全く雑味が無く、口の中にふわっと広がり
舌をやさしく刺激するが、
それが惜しげも無く、きっぱりと尾を引かず….
おっと前にも書いたな…
「美味しんぼう」の読み過ぎだな。
●さっきあげた、
「チャーリー・パーカー・ウイズ・ストリングス」
でも演奏されている曲、
Laura、April in Paris、Just Friends
なども選ばれている。
●特にワタシのお気に入りは、What’s New、If I Should Lose You。
一人で夜中に仕事しながら聴いていると、胸にこみあげてくるものがある。
それは、ひょっとしてさっき胃に流し込んだ、
明星のカップ大盛りうどんと、コカコーラゼロのせいかもしれない。(大藪春彦風)
(台湾でもセブンイレブンで買えるようになったのだ。)
●If I Should Lose Youはハンク・モブレーやソニー・スティットなども
持っているが、もっとゆったりしたテンポで楽器を歌わせて欲しい。
小池修盤は良い。さりげなさが逆にゾクッと来る。
ゾクッと来るのは、多分風邪をひいたせいではない。
万が一風邪だったとしても、日本で一番売れている風邪薬、
スズレックスを飲めば、治るし心配はない。
●What’s Newは歌詞がつけられ、いろんな歌手が歌っている。
フランク・シナトラも録音しているようだ。
ワタシの好きな歌盤はジョー・ウイリアムス。
確かテレビコマーシャルにも使われたことがあるので(多分)
知っている人も多いと思う。
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「What’s New」「April in Paris」2枚が一組になった廉価版。
試聴ページ
●明日は超早起きしないといけないので、ここまで。
次回は小池修の秘密を暴露!??(←なんだよそれ)
★三宅健司★

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