マニアック過ぎる、ということで

社内でも誰も読んでないらしいこのブログですが、かまわず前回の続きです。
インターネットで調べていたら、何とアイルランド、MAYO州のホームページに前回紹介した「キルケリー」について、いろいろなことが載っていました。
歌詞の全文、そして歌詞の元になった手紙の文章も観ることができます。歌詞と違って、一通がかなり長い文章で、ワタシには歯がたちません。
手紙は全部で20通掲載されています。歌にあるように、John Hunt 宛てに、学校の教師Patrick McNamaraが代筆したもののようです。John一家の家、Patrick McNamaraが教鞭をとっていた学校の写真なども掲載されています。
「キルケリー」の歌詞にあるようなストーリーは、当時のアイルランドに暮らす人の共通の歴史でもあります。「アイリッシュ・ミュージックの森」(大島豊著、青弓社)によると、1800年代の半ばのジャガイモの伝染病による不作、それによってもたされた大饑餓、またロンドン政府の対応の遅れ、飢餓に疫病も重なり、大量の死者がでたようです。そんな状況の中で、アメリカへの移民もかなり増えたようです。推定820万人だった人口が半世紀で250万人までに減ったそうです。
「キルケリー」の歌詞にも「ジャガイモは病気で三分の二がやられたよ」と言う箇所がありました。当時のアイルランドはかなり過酷な地だったようです。
ええと、このへんでやめておきます。
MAYO州ホームページ「Hunt Family and Kilkelly Ireland Song」>>
三宅健司

アイルランドのフォークシンガー、

Robbie O’Connellの歌う「キルケリー」をYouTube(動画サイト)で、たまたまみつけて聴いていたら涙が出そうになりました。
ピーター・ジョーンズという人が作ったフォークソングです。何年も昔、良く聴いていた大好きな曲です。
1860年から1892年にかけて、アイルランド住む父親から、アメリカに移住した息子にあてた手紙の文面を使って作られた歌です。
その手紙を書いた父親とは、この曲の作者のピーター・ジョーンズのひいおじいさんで、ピーターはその手紙の束をみつけ、この詩を書いたそうです。
詩の冒頭部分です。
………………………………………………………………………………………………….
1860年、アイルランド、キルケリー。
愛する息子、ジョンへ。
この手紙は、お前の友人、学校の先生Pat McNamaraに頼んで
書き取ってもらったんだよ。
おまえの兄弟たちはイングランドで元気で働いているよ、
この家はからっぽになってしまって少し寂しいけどな…
………………………………………………………………………………………………….
こんな家族の近況報告、出産や死の知らせ。
あるいは、ジャガイモの不作。
そんな手紙の文面が歌われます。最後の手紙は父親ではなく、ジョンの兄弟が書いたものです。
その便りには、とうとう30年以上ジョンと再会することのなかった父親の死が告げられています。
Robbie O’Connellの歌唱は決してセンチメンタルではありません。余計な感情を込めず、父から息子へののたよりをシンプルなメロディにのせて、淡々と歌います。真の感動とはセンチメンタルな表現から生まれるものではないと思います。
というわけです。この歌を聴いて感動しない人とは、友達になりたくありません。ってくらいです。
ワタシと友達になれないからといって気にしないで下さい、皆さん別に全然平気でしょうし…。
ワタシももともと友人なんていないし…
ワタシが持っているCD、ビデオは1991年にテレビの特集番組 ”Bringing It All Back Home” のために、BBC放送によって制作されたものです。アイルランド、アメリカのフォークミュージシャン達がこのプロジェクトのために集い録音されたものばかりで、名曲、名演奏ぞろいです。
おそらく今は、日本盤のCDも入手できると思います。
ワタシの持っているそのCD、ビデオは輸入盤なので日本語訳はありません。
上の歌詞の一部も、ワタシの貧しい語学力で読解したものですので、
例によって、間違い、誤解などあったらすみません。
この曲「キルケリー」は、”Bringing It All Back Home” 以外にもRobbie O’ConnellのCDや、アイルランド・フォークソングのオムニバスCDなどにも収められているようです。
こういう事をするのはちょっと(かなり)抵抗があるのですが、興味ある人のために、YouTubeで見つけた、動画のアドレスをリンクしておきます。

Robbie O’Connell and the Clancy Brothersのライブ版Kilkelly、

“Bringing It All Back Home”のビデオのKilkelly
他の歌手のヴァージョンもあるようですが、お薦めはやはりRobbie O’Connellの歌ったものです。
英語の歌詞はここで全文見る事ができます。
英語がダメダメのワタシでも6〜7割くらい理解できるので、
(エキサイト翻訳を使ってです…)敬遠せずに見てみて下さい。
もし、動画を観られた方がいましたら、感想を聞かせて下さいね。
絶対、コメントこないだろうけどな….
三宅健司

前回の続きを

書こうとおもったのですが、書きたい事を忘れてしまいました。
ので、個人的名場面の続き。
フランスの犯罪映画、アラン・ドロン主演、ジャン・ピエール・メルヴィル監督のの「サムライ」。
凄いタイトルですが、良い映画です。
トレンチコートにソフト帽に身を包んだ、アランドロンのかっこよさ。
男でも憧れた人が、多いのではないでしょうか。
何となくドロンが、トレンチ・コートのイメージがあるのは、
この映画からだと思います。
後に日本のテレビCFに出演したドロンも、最初のバージョンでは確かトレンチコートを着てソフト帽をかぶっていました。
最初は「オレはマヌカンじゃない」とコマーシャル出演に難色を示していたドロンも、CFの出来に満足したようです。そして、「オレのこのトレンチコートのイメージを作ったのは、メルヴィル監督だ、だから彼にこのフィルムを送ってくれ」といったそうです。
なんと義理堅いじゃないですか。男の美学ですね。
この映画でワタシの良く覚えているシーン。ドロンが自分のアパートに帰る。彼は部屋で小鳥を一羽飼っている。その小鳥の鳴き声がなんとなく、いつもと違う事に気がつく。それで、彼の留守中にだれかがこっそりとこの部屋にはいってきたことを感じ取る。おそらくは盗聴器をしかけられたのだろう。
数分間続くこのシーン、全くセリフがありません。鳥の鳴き声だけが、断続的に聞こえて来ます。かつて映画にこんなに長くセリフの無いシーンがあったでしょうか?(多分あるんでしょうが..)。初めてこの映画、このシーンを見た時の驚き、全くセリフが無いにもかかわらず、観る者を引き付けて離さない不思議なシーンでした。
またもう一つのシーンはドロンが地下鉄で追われ、その尾行をまくシーンです。駅に着いても全く電車を降りる気配をみせず、しかしドアが閉まる瞬間、素早い動作で外に逃れる場面。今時の映画ではよくあるシチエ−ションかもしれませんが、とにかく緊張感がとぎれないかっこ良いシーンでした。
同じメルヴィル監督、アラン・ドロン主役の「仁義」。凄いタイトルです。これは「サムライ」のヒットにあやかった日本だけでのタイトルでしょう。原題はたしか「赤い輪」という意味のフランス語だったと思います。
イブ・モンタン演じる元刑事にして射撃の名手。今はアル中です。彼がアル中特有の幻覚を見るシーン。たった数分のシーンで、モンタンの心中、アル中の悲惨さを、これまた全くセリフ無しであますところなく観客に観せてくれました。
この場面だけでなく、この二本の映画。これまでに観た映画の個人的ベストテンに入ると思います。メルヴィル監督のほんとうに丹念な映画作り。なんという映像美。これぞ男の美学です。
といってもこの二本、わたしが中学生の時に観た映画です。同じ頃、メルヴィル監督、ドロン主演の「リスボン特急」も封切り時に観ました。これはドロンが刑事役ということもあって、先に上げた二本よりはインパクトが少なかったようです。それでも、上映されている期間にひとりで何度か観に行った記憶があります。
※ドロンのCFのエピソードなどは、おそらく中学生か高校生の頃、読んだ「キネ旬」のメルヴィル追悼特集号なかに書いてあったことだとおもいます。もう30数年前の記憶なので、思い違いもあるかもしれません。それ以外の事も、ネットなどで正確な情報を調べて書いているわけではありません。面倒だしそういうの嫌いなので…。すみません。
というわけで、ちょっとオタッキーな、ほんとに個人的思い入れの名場面でした。
ほとんど共感は得られないかもしれませんが、個人的名場面とはそんなものかもしれません。
どうせ誰も読んでないとは思いますが、かまわず、次回に続くです…

日曜日の夜は

●前に日本で買ったDVD「夜の大捜査線」を観た。
以前(30年くらい前!)観たことがあるがあまり覚えてないのもあって、最高に楽しめた。
●シドニー・ポワチエもロッド・スタイガーも素晴らしい。
ウォーレン・オーツにいたっては、もう俳優が演じてるなんて信じられない。アメリカ南部の小さな街の警官が実際に演じてるとしか思えない。ストーリー、脚本、カメラワーク、全てが素晴らしい。久々に猛烈に感動した。ノーマン・ジェイソン監督、ロッド・スタイガー、撮影監督らの音声解説があり、これも面白い。とういうわけで二回続けて観てしまった。
●なかでも撮影監督の秘話が非常に面白い。夜の田舎町の駅の照明をどうやってコントロールしたか。留置場、検死場面での照明、ガラスに俳優を映り込みを作る為の工夫。そういったテクニカルな部分にも興味をそそられるが、どうして、こういう照明やカメラワークが必要なのか?主役二人の緊張感を演出するためには、どうフィルムにおさめるべきなのか?プロとして当たり前なのかも知れないが、とことん細部までこだわるその真摯な態度に感動してしまう。
●先週の週末は、先日のコメント欄にあった「キャットピープル」を探したのだが、台湾ではDVDが出てないようだった。ので、ウチにあった日本版のDVDでルネ・クレール監督の「奥様は魔女」を観た。軽くて笑えて楽しめる。魔女約の女優がとてもチャーミングで良かった。
続く…

昨日のお昼休みに、

珍しく直子さんが読書している。
直子「<けんもほろろ>ほろろってなんですかねー?」
一同「剣がぼろぼろになるほど愛想無く…..?違うな〜」
〜電子辞書で調べてみる。〜
直子「<ケン><ほろろ>も雉の鳴き声?何それ?」
   「ケンドンにかけている。とも書いてありますよ」
一同「ケンドンって何?食べ物?丼もの?」
直子「字が違いますよ」
直子「余計わからなくなりましたね、ケンドンの正体は何でしょうね?」

数分後
直子「『カラスの行水』って、そもそもなんでカラスの行水って言うんですかね?」
一同「カラスって黒いから? 違うな〜」
直子「あーわかった、カラスって水が嫌いなんですよ」
   「だから水浴びしないし、水を避けるのかも…」
一同「あーなるほど、そうなのか(※)」

ワタシ「ところで何読んでるの? 『ヘンな日本語クイズ100選』、みたいなの?」
直子「宮部みゆきの『模倣犯』ですよ。友達から借りて…」
直子「小説にこういう言葉か出てくると、気になっちゃって、なんでこういうんだろう、とか…気になりますよね〜…」

直子さんよ〜、『模倣犯』は厚めの文庫で5冊だぞ〜。一巻目の最初でそんな具合で、最後の巻まで行き着けるのか???道のりは長いぞ!!

ウチのスタッフの無知が露呈してしまったようですが、皆さんもこんなもんですか?

それよりも、皆さんのまわりにも、こんなふうに「こだわりの」(?)読書している人いますか?
(※)違います—興味ある人は自分で調べてみましょう
三宅健司

映画のポスター

●ウチに古い映画のポスター集っていうのがあって、このあいだパラパラめくっていて、凄い映画を発見しました。1967年に製作されたアメリカ映画で、タイトルが「The Fastest Guitar Alive」。

映画の紹介サイト(英語)>ポスターが観られます。凄いですよ!!
あんまりかっこ良いから、MACの壁紙にしちゃいました。

●ロックンロール歌手のロイ・オービソンが主演の西部劇のようです。確か「プリティ・ウーマン」のオリジナルをヒットさせた人です(よね?)。
ポスターではカウボーイ姿のオービソンが、ギターを構えています。なんとそのギターのネックの上に銃口が…そして、その銃口が火を噴いているではありませんか。

●Singin’…Shootin’とあるから、歌ありアクションありのウエスタンなのでしょう。かなり無茶苦茶なB級映画のような気がします。うーん猛烈に観たいです。
こっちのサイトには映画の場面の画像が何枚か掲載されています。

●そこでおもいだしたのが、ロバート・ロドリゲス監督、アントニオ・バンデラス主演の「デスペラード」。この映画にもギターをかかえた殺し屋(?)が登場します。
バンデラス、もう最高です。テレビで4回くらい観たけど、まだあきないです。
(続編は、いくらなんでもちょっとやりすぎのような気がして、それほど好きではありません)

●この「デスペラード」ですが、主演のバンデラス以外にも、ギターを持った殺し屋が出てきます。
ギターを持った殺し屋三人衆、かっこ良いんですよ。

唐突ですが、三人衆端っこの奴、いきます。

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ギターケースからなんと、小型ミサイルが発射されます。
発射するだびにこのポーズをしなければなりません。
ちょっと足が疲れますね。

ご意見、感想、お待ちしてません。
すみません。すみません。
三宅健司

夜のストレンジャー

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フランク・シナトラのCDです。
1966年の発売、かなり売れたアルバムのようです。

何と言っても、タイトル曲「夜のストレンジャー」。
こ曲のためだけでも買うべし、です。

ネルソン・リドルのゴージャスなオーケストラをバックに、堂々とした表情豊かな歌唱が胸をうちます。演奏時間たった2分25秒ですが、歌、演奏、アレンジと、ほんとにツボを押さえまくった「これぞポップス」って曲です。

もちろん他の曲も良いですよ。ワタシはよく知りませんが、おそらく有名な曲ばかりなのでしょう。
「Call me」「 Downtown」は知っています。両方良い曲ですね。
特に「Call me」は好きな曲です。日本の歌手noonも歌っていましたね。他にもアストラット・ジルベルト、イリアーヌ・エリアスなどボサノバの歌手もとりあげています。

ジャケットもストレートで渋いですね。このアルバムのレコーディングの光景でしょうか?

というわけで、久々のアレですが、今日はフランク・シナトラに挑戦します。

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ファンの方、あまり怒らないでください。悪気は無いんで…。

三宅健司